SHINKA通信4月号/社長日記Vol.2―方針手帳について
理想は“金太郎飴”
The ideal is "Kintaro candy"

そんなときに出会ったのが一倉定さんの『経営心得』でした。一倉定さんは中小企業のコンサルタントとして有名な方なのですが、その本に書かれていた内容は、それまで自分が良いと思ってやっていたこととほぼ真逆のことばかりでした。すぐに全シリーズを購入し隅々まで読み込みました。そして、もしかしたらこの本に書いてあることを実践したら会社が良くなるかもしれないという気持ちになったのです。
本の中で三種の神器として挙げられていた『社長のお客様訪問』『経営計画書の策定』『環境整備』を同時に始めました。方針手帳は、このうちの『経営計画書』にあたるもので、会社の理念方針を示しています。
『社長のお客様訪問』
『経営計画書の策定』
『環境整備』
方針手帳は経営コンサルティング会社でいらっしゃる株式会社武蔵野様の「経営計画書」と同様のものを作りました。会社の数字、方針、スケジュールをまとめた手帳型のルールブックです。ただし内容は全く同じではなく、武蔵野様の経営計画書の中からオカフーズに合いそうなところや、先代の社長である現会長が書き留めていた言葉の中から特にマインドに関する部分や、経験値を今のスタイルに合うように修正して記載しました。
方針手帳は、経営計画書の良いところ取りのように思われるかもしれませんが、ゼロから作ろうと型から作ろうと、本質的なことは変わらないと私は考えています。
理念方針は作ることがメインで、実践に結びついていないことがほとんどです。 どんなに立派な理念方針を掲げても、仕事を通じてそれを表現する社員に浸透していなければ意味がありません。いうなれば、最高の脚本を大根役者が演じるようなもの。
理想は“金太郎飴”のように、社員皆に同じように理念方針が浸透することだと考えています。金太郎飴と言うと、多様性・個性の時代に逆行しているように聞こえるかもしれません。しかしここでは、理念方針という不変なものに対して社員全員が共通して持つ軸のことを指しています。一方で、戦略から先のことは朝令暮改で良い。多様性や個性を引き出すために、方針手帳という金太郎飴があるのです。
経営者と社員との「差」を埋める
Bridging the "difference" between management and employees
ギャップはどちらかというと能力差や理解力を指し、ディファレンスは個性の違いを指します。経営者の言うことが理解できない、というのはギャップであり、ディファレンスではありません。むしろディファレンス=個性や多様性は幅広くあるべきですが、ギャップはそうはいきません。
経営者にどんなに熱意や想いがあっても、経営者と社員の間に理念方針の理解へのギャップがある限りは会社は良くなりません。そのギャップを埋めるために必要なのが、環境整備や方針手帳なのです。 そして良い会社を作るのは「大人のプロ」の社員です。方針手帳によって善いマインド・善い気づきからなる考え方の土壌=大人軸を整え経営者と社員間のギャップを埋め、スキル・知識・経験=プロ軸=ディファレンスを磨く。その先にあるのは、好業績・高貢献・高報酬を実現できる会社です。
岡塾と方針手帳
Okajuku and Policy Notebook

ただ、環境整備やFISH活動しかり、「やったらわかる」の世界だからこそ外部ステークホルダーの方へお伝えすることの難しさも感じています。
方針手帳や環境整備、岡塾によって「大人軸」が整ってきていることを実感しています。47期の下期からは全社員に対してオンライン学習をスタートさせ「プロ軸」を磨くことでさらにインプットとアウトプットのサイクルを加速させ、成果へのピッチを上げていきます。
個々人が更にレベルアップすることによって食品業界への貢献度も上がっていくことをご期待いただければと思います。
※1オカフーズでは、上長からの「指示・命令」は禁止しています。上長は上司ではなく、社員をフォローする立場であることから、フォロワーと呼んでいます。