いま、食品を取り巻く環境で、一体何が起こっているのか‥‥
わかりやすくお話しします。
原料の漁獲から加工工場のある国の港への輸送、その過程においても様々な問題が発生しています。
温暖化によると思われる漁獲量の低迷、世界的な原油価格高騰にともない燃油代も上がり、外国人船員の労働力不足など、特に遠洋漁業を取り巻く環境は悪化しています。
そうして少なくなった魚を世界各国で奪い合うという状況が激化、更にはその魚を加工国へ円滑に送り込めない等の問題も発生し、これまで以上に原料のコストが大きく上昇する事態となっています。
原料漁獲の現場で起こっていること‥‥
冷凍のお魚を加工する中国やベトナムの工場においても様々な問題が発生しています。
新型インフルエンザ対策については日本よりもはるかに厳しい行動規制が迅速に行われるというお国の事情があります。地域によっては労働者の確保が困難な状況であったり、原材料や副資材の調達にも影響があり、工場での生産活動が大きく低下しているという状況です。加えて、世界各国からの生産発注が殺到し、工場にとって利益の少ない加工は排除される動きにもなっています。
中国の生産現場で起こっていること‥‥
ベトナムの生産現場で起こっていること‥‥
コロナ禍特有の需要変化と、消費の低迷とその後の急回復、これらによって需給のミスマッチ現象が物流を大きく混乱させています。
海上輸送においてはリーマンショック以後の需要減退から供給過多になっていた船舶の調整、主に中国で生産されるコンテナ設備などを減産調整をしてきたなどの背景があります。ここにコロナ禍での港湾労働力不足、空コンテナの内陸停滞などを起因とする「コンテナ不足」、ならびにそれに伴う「海上運賃上昇」など、国際的な物流混乱が発生し、この解消にはなおかなりの時間を要すると見られています。